空家放置のリスク 《2》

2016.01.28 Thursday

空家の有効活用はできないの?
なぜ、全国各地にこれだけの空き家があるのにその有効活用が行われないのでしょうか?
私は、これには他にも大きな理由がいくつかあると考えます。

(1)空家を賃貸にすると、家主さんには多額の初期費用がかかります。建物の躯体部分や造作の修理はもちろんのことトイレ、キッチン、風呂を始めとする水回りや電気、ガス、空調などの諸設備は家主側の費用で行うことになります。賃借人が「自分たちの好きな間取りに改造させてよ。自分たちでその費用を持つから。その分賃料を安くしてよ。」と合意して、特約条項に記載すればいけそうに思うのですが、これは事業者である家主側に一方的に有利に働く条項と見なされ、消費者契約法に抵触し無効とされる可能性があるのです。

(2)家賃の不払い、近隣住民に迷惑をかける不良入居者が入居した場合でも、簡単には契約解除をして退去をかけられません。家賃の不払いはもちろん契約解除事由には該当します。しかし、居座られた場合、裁判上の煩わしい手続き(訴訟、強制執行)を経て1年近い年月とかなりの費用がかかります。

(3)一度貸すと賃借人の権利が今の借地借家法の下では過剰に保護されます。賃貸人が自分で使用したい場合や、建物の老朽化で立て替えたいという場合、簡単に退去はさせられないのです。

ただ、(3)については、平成12年に定期借家制度が施行されるようになり、契約前であれば家主側から賃貸借期間を予め設定しておき、その期間が満了すれば終了することができるようになりました。

政府は空家対策に現在真剣に取り組んでいるようですが、このネックになっているのは現在の借地借家法や民法です。これらの法律は、戦後住宅に困窮していた時代に家主に退去させられたら、たちまち路頭に迷う人を想定して、入居者=社会的弱者ということで借家人は過度に保護をされておりました。しかし、全国各地にこれだけの空き家が深刻な社会問題となっている現実を考えると、その有効利用を優先して考えていくべきで、現行を維持していくのは大きな問題があるのではないでしょうか?

私は他国の借地借家関係の法律は知りませんが、家賃を不払いしても重大な契約違反をしても「入居者がかわいそうだから退去させられない。」は時代錯誤も甚だしいのではないでしょうか?もちろん、社会的弱者の保護を否定するつもりはありません。それは、別の法整備を行うべきです。現在の法律は、一生懸命金融機関に借り入れ返済を行っている家主に「慈善事業をやれ」と強要している側面も否定しません。現にこの現行法の隙を狙って、わざと家賃を不払いするという強者もいるのが現状です。

日本もTPP参加の合意に基づき、賃貸業・不動産業も諸外国(主にアメリカ)の慣習に右へならえさせられることが将来考えられます。 その際に、旧態依然の日本の借地借家法や民法がどのような法改正されるのか、また、消費者契約法は存続が可能なのかとても興味のあるところです。  (次へ続く)

空家放置のリスク 《1》

2015.12.21 Monday

空家の放置のリスク
  最近、空家の放置が社会問題になっております。全国で820万戸、全戸数に占める割合が13.5%に昇ぼるとのことです。なぜ空家が解体せずに放置されているかという理由の一つに、土地の固定資産税が空家(正確に言えば住居)を解体して、更地にすることにより、6倍に上昇することがあげられます。
  しかし、空家を放置することは所有者に多大のリスクがあります。
(1)老朽化による庇や建物の一部の落下により通行人にケガを負わせる。
(2)火災や不審火の原因となる。
(3)浮浪者や不審者が侵入して犯罪の温床になる。
空家放置の最大のリスクの一つに侵入者による自殺や遺体の放置場所になる可能性があげられます。

空家で自殺
以前、私が売却を依頼された老朽化して放置されていた物件のケースですが、買い手が決まった段階で、過去この家屋で侵入者がいて自殺された事実が判明しました。幸いにも買主さんはこの物件のご近所の方で、この事実を知っておられたので事無きを得たのですが、通常このような場合、値段は大幅に下がります。なぜなら、売却の際は、売主は買主に対してその事実を告知する義務があるからです。(建物を解体して売却しても告知義務は逃れられません)売主がこれを隠して取引すると、不法行為となり、買主に対して損害賠償の義務を負うことになるのです。  (以下続く)

事務所からマンションへの内装変更により土地の固定資産税が安くなった。

2015.12.12 Saturday

 ケース1
先日、中央区にビルをお持ちのオーナーさんが、従来は貸事務所として賃貸されていました。そのビルの事務所の4室を賃貸マンションに内装変更されたのでした。事務所部分は各室約15坪です。計4部屋をリビングを広めの2LDKのプランでリフォームをされ、入居者はすぐに決まりました。その際、私は固定資産税が軽減の適用が受けられるのではないかという旨を家主様に説明。後日、家主さんは大阪市の市税事務所に確認をした結果、市税事務所がビルを現地調査、結果的に固定資産税は、年間10万円程度安く成ったとのことでした。固定資産税は、住居部分が増えることにより土地にかかる税金が安くなります。
  ご存じの方も多いとは存じますが、土地にかかる固定資産税は住居として使用する場合200屬泙任蓮一戸に付き税額が1/6に軽減されます。では、住居と事務所・店舗といった非住居部分が併存する場合はどうなるのでしょうか?この場合は、各面積の割合に応じて按分の上、税額が算出されるようです。当然、住居部分が多ければ多いほど土地の固定資産税額は安くなります。

ケース2
商店街に面する店舗兼居宅。敷地約50坪で1階は店舗、2階は住居としてオーナーさん自らが居住され、1階部分で飲食店舗を経営されておりました。オーナーさんは、7年前に飲食店を廃業をされたとのことで、その後、1階の店舗部分(内装は以前の飲食店舗のまま)は、家族でくつろげるソファや自転車、バイクにペットの犬も飼い、2階と同様に実質は住居として使用されておりました。オーナー様に固定資産税の納付書を見せていただいたのですが、案の定、用途は店舗・住居となっており、店舗部分は以前の同様に店舗扱いで減額の措置はとられていませんでした。オーナーさんは、早速、市税事務所に連絡を取り、現地調査の結果、1階は事実上住居として使用していることが認められ、「固定資産税が安くなって嬉しい。」と喜んでおられました。

ケース3
中央区で貸ビル業を営んでいるオーナーさんは、4階建てビルの1階から3階までをテナントに貸し4階を住まいとして使用しておりました。4階の住まいに家財道具が増えたため、3階のテナント募集をやめ、家財道具、卓球台なども置き住まい兼、倉庫代わりに使用。このケースも3階部分につき、固定資産税の減税が認められたようです。

上記のように、建築当時は住居兼店舗・事務所・倉庫等の非住居として使用し、途中で非住居部分を住居として用途を変更した場合は、固定資産税が減額される可能性があります。しかし、市税事務所側から積極的に用途の変更を調査してくれることはありません。所得税の確定申告のように、毎年所有者が現在の用途を申告して、それに応じて税額が算出され、納税する仕組みであればこのような問題は生じません。各物件の現状把握もしないで、毎年納付書が一方的に所有者に届けられる現行制度に対しての対抗措置は、減額の可能性がある場合、所有者から市税事務所に連絡を取り役所と折衝していく以外に方法はありません。
 

地域と不動産に関する耳より情報ブログを始めます。

2015.10.29 Thursday

株式会社フジモト産業の代表者である私藤元善章が、売りたいときに調べること、買いたいときに調べること、不動産価格の仕組み、不動産にまつわる費用、大阪市地価情報などについて、他店では聞けない私独自の地域と不動産に関する耳より情報ブログを始めます。
売りたいとき、買いたいときのご参考になれば幸いです。
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